Finland Travel Diary

フィンランドとその周辺旅行記

フィンランドを感じる-自然公園編

 

ヘルシンキ近郊のほとんどの観光場所は一度しか訪れたことがない。唯一、アウランコ自然公園だけ二度訪れた。アウランコ自然公園はヘルシンキから日帰りで行ける自然公園の一つであるにも関わらず、ヘルシンキからの日帰り公園は大抵ヌークシオを紹介されるので影が薄い。おそらく人工公園である事が大きな理由だろう、それでも私はアウランコを一度訪れたらすっかり気に入ってしまった。道が比較的舗装されているので歩きやすいこと、公園入り口にホテルがあるのでそこを拠点に散策が出来ることなどの利便性が理由でもあるが、とにかく公園内の展望台から見渡せる360度森の世界が、フィンランドに来たという実感と静かな興奮を与えてくれた。画家の東山魁夷アウランコを気に入っていたというのも頷ける。 

 

自然公園へは、まずヘルシンキ駅からVRでハメーンリンナ駅に向かう。VRフィンランドの長距離列車で全席指定、事前にホームページから購入が出来る。購入すると登録したメールアドレスにチケットが届くので、当日VRに乗車した際、スタッフのチェックがあればそれを見せる、という流れになっている。ハメーンリンナ駅からはバスに乗車するが、バス案内は生憎Google Mapでは表示されない。ハメーンリンナの市のホームページからタイムテーブルを検索し、2Uのバスで自然公園入り口にあるホテルScandic Aulankoで下車した。フィンランドのバスの運転手さんは皆優しいので、どこで降りたいと乗車時に伝えるとバス停に着いた時知らせてくれる(私は不安がある時はいつも知らせて欲しいとお願いしている) ホテルのトイレをお借りして、地図を貰えば準備万端。 

 

公園内は多くの道が舗装されているので比較的サクサクと歩くことができる。道には時々案内板が出ていて、地図とその案内板を見ていれば展望台へと迷わず進むことができた。自然の多いエリアに住んでいる人にとっては物足りないのかもしれないけれど、普段自然とは全く無縁の私からすれば綺麗な空気を吸いながら森の中を歩くだけでも癒された。森の中を進んでいくと展望台が見えてくる。展望台(Aulanko Observation Tower)は無料で入れるが、季節によって開いている時間が違う。展望台の階段をひたすら登り、辛くなってきたなと思う頃に屋上に着く。 

 

展望台の上からの景色はとにかく感動という一言に尽きる。初めて行った時はちょうど新緑の季節で、鮮やかな緑色の絨毯に悠々と雲の影が流れていて、びっくりするほど美しかった。遠く向こうまで続く森を見ていると心が綺麗に洗われていくし、森と湖の国だと実感できた。びゅうびゅうと吹く風が冷たいのに気持ちがいい。日本の綺麗な空気とはなにか種類が違う、なんの混じり気もない透明な空気が全身に当たる。見渡しても森と湖しかないのに、こんなに心が揺れるものなのかと驚いた。スマホアウランコの写真を見るだけでは絶対に得られない体験だった。もしかすると少し若者的思考なのかもしれないけれど、こういう「わかりやすい」体験が私の性格に合っていたのかもしれない。頭のてっぺんからつま先まで、日本の森の中の空気とも違うフィンランドの森の空気を感じながら、静かで美しい景色を見て、肌でも視覚でもフィンランドの自然を存分に味わうことができる、アウランコはそういうわかりやすい体験をくれる自然公園だと思う。

ハメーンリンナ市バス案内

Public transport - Hämeenlinna

アウランコ自然公園基本情報

Aulanko Nature Reserve - Nationalparks.fi

Aulanko Tower | Visit Finland

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